大学病院の救急医ブログ

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九州豪雨 熊本空港着

7月12日羽田空港経由で熊本空港に向かった。DMATロジスティクスチーム隊員で看護師だけど調整員登録となっている海平と一緒だ。彼とは熊本地震、北海道地震、昨年の台風19号で一緒に活動した。彼も経験をつんで頼りになる男になった。

 

羽田空港はガラガラだった。コロナ渦の影響は強力だ。普段心配しない日本経済が心配になった。

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羽田空港



そこに熊本県庁の調整本部にいるDMATの総大将の遠藤先生から電話があった「いつ熊本に着く?人吉の本部に行ってもらいたい。県庁によらなくてもいいから熊本空港から直接向かってくれ。二村先生がいるから引き継ぐように」
いつもの簡単な指示。私と海平は予想した通りの展開に思わず顔を見合わせ笑った「やっぱり」。

 

私と海平はこれまで県庁調整本部に入ったことはなく、毎回、被災地内の保健医療調整本部での活動だった。その立ち上げにかかわったこともあったし撤収にかかわったこともあった。行政、医療機関、支援団体の間に入り調整することが主な仕事で、それぞれが違う思いで活動するため、その間に入り嫌な思いもたくさんした。何度も頭を下げた。誰かがそれをやらなければ被災者に適切な支援が届かない。そう信じてやってきた。そんな経験が積み重なって被災地では多少のことではイラっとしないし怒ることもない。うまくいかなくても落ち込まないようにしている。

熊本空港でレンタカーを借りて人吉市の保健医療調整本部がある人吉保健所を目指した。